わたしが遊んだことのあるゲームを、独断と偏見によりオススメする感想記事です。
本記事ではPokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)をご紹介します。
ポケポケってどんなゲーム?
ポケモンのカードをコレクションしたり、デッキを作って対戦したりするゲームです。
2024年にサービス開始となったカードバトルゲームです。いわゆるDCG(デジタルカードゲーム)の一種ですね。
1996年より続く、実物の紙のカードを用いた「ポケモンカードゲーム」(以下ポケカ)とルールを一部共有していますが、基本的には別物です。ポケカ経験者でないと楽しめないということは全くありません。
魅力1. カードをコレクションするのが楽しい
ポケポケは、カードを集めているだけで楽しめるゲームです。
ポケポケに登場するカードには、大人気のポケモンシリーズに登場するポケモンや人物キャラクターの魅力的なイラストが描かれており、眺めているだけで楽しめます。
カード全面がイラストになっている高レアリティのカードもありますし、カードの中の世界を覗き見られる「イマーシブレア」という特殊な種類のカードもあり、毎日パックを開けてカードを集めているだけで面白く感じられます。
集めたカードはコレクションとして飾ることができますし、フレンド登録した相手のコレクションを見せてもらったり、それに「いいね」を付けたりすることができます。
パックを開ける画面についても、「ここまでやる?」というくらい演出にこだわっており、「パックを裏から開けられる」といった他にそう見ない仕様もあったりして、DCGの中でも「パックを開けて、カードを集めて、それを眺めて楽しむ」ことに群を抜いたこだわりを感じました。
カードバトルのゲームと言われると、「知らない人と対戦するのはあんまり……」という方もおられるかと思います。
でも、ポケポケはカードを集めているだけで楽しいですし、AIとの対戦も充実していますから、他の人と対戦したいと思わない方でも十分楽しめるようになっているはずです。
めちゃくちゃ力の入っている「イマーシブレア」の特殊演出とか、そもそも対戦中には見られないですからね。パックを開けた時に見られる最高の演出として作られており、ポケポケというゲームの力点がどこに置かれているのか、その一端が分かる要素かと思います。
魅力2. わかりやすいルールで対戦が楽しめる
今日の紙のポケカの対戦がシンプルかというと、微妙なところだと思います。
ポケモンカード自体、数あるTCGの中では基本ルールが簡単な方だとは思います。MTGや遊戯王のように、相手のターンに割り込んで行動することはありませんしね。
ただ、2025年1月現在のポケカは1ターンにやることが非常に多く、自分のターンの行動の組み立てがパズルめいて複雑です。基本ルールは簡単ながら、確率的に最善の手を打ち続けられるプレイヤーが実は少ないのがポケカです。(それが楽しいんですけどね)
1試合25分なのですが、最善手を選び続けるのが難しいことから、慣れていないと時間切れが頻発するゲームでもあります。
一方、ポケポケはとてもシンプルです。
ポケカの基本ルールを踏襲しながら、1ターンにやることを減らして分かりやすいゲーム性を確立しています。
1デッキ60枚のポケカと違って1デッキ20枚であり、25分どころか1試合5分前後で決着がつくことが多いでしょう。スマホで空き時間に軽く遊べます。
カードゲームによっては、長々とカードテキストが書かれていて直感的に分かりにくかったり、あるいは書いてある内容が難解すぎて読んでもよく分からなかったりすることがありますが、ポケポケのカードを読んで分からないということはほぼないはずです。
「紙のポケカをやってないと難しい」なんてことは全然なくて、むしろ紙のポケカより倍は簡単です。カードゲーム未経験の方でもたやすく感覚がつかめると思います。
魅力3. 無課金/微課金でも面白い
ポケポケは基本無料のゲームです。
基本無料のゲームはきょうびたくさんありますが、中には課金しないと(お金を払わないと)なかなか楽しめないゲームもあります。無課金だとろくにカードが集まらなくてデッキが組めない、とか。
しかし、そういったゲームと異なり、ポケポケは無課金でも十分に楽しめるゲームです。
まず、ポケポケは12時間おきに1パック開けることができます。
つまり1日2パック、1ヵ月で60パックは開けられるということです。これだけでかなりカードが集まります。
また、普通に遊んでいるだけで達成される毎日の任務で「パック砂時計」が4個もらえますから、これも含めると1ヵ月70パック開けられます。更にゲットチャレンジで12~36時間おきに他の人のパックのカード1枚を自分も手に入れることができたりして、無課金でもかなりカードが集まるでしょう。
もちろん、課金で更に効率的にカードを集めることもできるのですが、実際のところ毎日ログインしてパックを開封していれば、課金しなくても十分楽しめます。
理想のデッキを作るために足りないカードを集めるという観点では、課金が有効に作用するのは事実ですし、わたしも当初作りたいと思っていたミュウツーサーナイトデッキが完成するまで1ヵ月くらいかかりましたが、理想の構築に足りないカードを補うよう頭を悩ませるのもまた楽しいものです。
なお、DCGの中には不要なカードをゲーム内通貨に変換して欲しいカードを作る費用にする要素があるものもありますが、ポケポケにはありません。
ポケポケはパックを開封するたびにポイントがもらえて、それを消費することで欲しいカードが作れます。ただ、特別なイラストのものを除いてもレアリティ◇◇◇で30パック分、exポケモンの◇◇◇◇で100パック分のポイントが要求されるため、無課金で理想の構築を完成させるのは少し骨かもしれません。
人を選ぶ点1. シンプルな対戦はやりこみがいがない?
ポケポケの対戦は、シンプルでとっつきやすく分かりやすいです。
しかし、「分かりやすい」と「底が浅い」は時に表裏一体でもあります。ポケポケは非常に分かりやすい反面、対戦の奥深さはそこまでではありません。分かりやすさを重視したぶん、やはりゲームの複雑さやプレイヤースキルの反映は犠牲になっている部分があると思います。
TCGをやりこんでいくと、対戦の中で難しい判断を迫られることがあります。
そこに自分なりの考えで正しい答えを導き出したり、あるいは経験の浅いプレイヤーであれば見落とすような勝ち筋を発見できたりする時が、TCGをやっていて「楽しい!」と思う瞬間でもあります。
これはゲームでも勉強でもスポーツでもなんでもそうだと思いますが、「上達している」「成長している」と感じるのは楽しいことなんです。逆に、どれだけやりこんでも上達や成長を感じられないと、飽きが早くなってしまうとわたしは思います。
そういう意味でいうと、ポケポケはプレイヤーの技術介入要素が少なめであるがゆえに、「対戦を極める!」という動機だと楽しみきれない部分があるように思います。他のTCGに慣れ親しんでいる方ならなおさらです。
発売前のポケポケの宣材動画も「コレクションが楽しいよ、オマケに対戦も楽しめるよ」みたいな印象を受けましたが、実際そのくらいのスタンスの方が楽しみやすいかもしれません。
カードゲームとしての奥深さを味わいたいなら、ポケポケよりもポケカの方が向いているでしょうね。
そのあたりを象徴しているのが、この手のDCGに付き物のランクマッチ(他のプレイヤーと順位やレートを競うモード)がないことですね。のちのち追加される可能性はありますが、サービス開始から2ヵ月以上たって音沙汰がないため、現状のポケポケ自体があまり競技志向ではないのだと思います。
人を選ぶ点2. 運要素が強め
カードゲームは、運要素の多いゲームです。
そのほとんどは「山札の引き運」という運要素に左右されます。将棋の駒の動かし方を知っている程度のわたしが竜王や名人と100回対局しても1回も勝てないでしょうけど、ポケポケの大会優勝者との対戦ならいくらか勝つことはできるでしょう。
運要素は、少なければいいというものでも、多ければいいというものでもありません。
塩梅と相性次第だと思います。将棋くらいガチガチに運要素が少ないゲームがいいという方もいれば、麻雀くらいがいい、ポーカーくらいが最適などなど、好みが色々あるはずです。そこは人を選ぶ点といえるでしょう。
ポケポケはシンプルであるがゆえに、プレイヤーごとに技量の差が出づらいです。
そうなると引きが強い方が勝ち、コイントスの運がいい方が勝ち、という展開になりがちです。特にコイントスは「コインを2回投げてオモテの数×80ダメージ」みたいな、極めて揺らぎの大きいワザも珍しくなく、「相手が上手だから負けた」というよりは「相手の運がよくて負けた」と感じることの方が多いかもしれません。
ですので「運要素少なめのカードバトルが楽しみたい」という方には、対戦部分は合わないかもしれません。
ただ、逆に言うとコレクションメインで遊びつつ対戦もちょろっとやりたいな、くらいの方なら、むしろ運要素が多いことでより楽しめるかも、とも思います。対戦の神髄が精緻な読み合いにあるのなら、そこに辿り着けるプレイヤーは限られるでしょうけれど、運要素の引き起こすドラマには初心者も上級者も関係なく出会うことができますから。
まとめ
・ポケポケは演出などを含めて、とにかくパックを開けてカードをコレクションすることがすごく楽しいゲームになっていて、ポケモンが好きな人、ポケモンカードに興味のある人、ポケモンに関するものを集めて楽しみたい人に向いている。
・集めたカードで対戦もできるけど、そのルールはシンプルで直感的、TCG/DCGを遊んだことのない人でも簡単に理解して楽しめるようになっている。
・無課金、微課金でもしっかり遊べるようになっていて、お金をたくさん払わなくても面白い。
・対戦はシンプルゆえに運要素が強くてプレイヤーの技術が反映されにくいし、2025年1月現在ランクマッチもない。なので、とにかく対戦を極めたい競技志向の人にはあまり向かないかも。
……という感じです。
なお、初心者向けのライトなゲームなので対戦部分のやりこみがいがやや足りないかも、という点については、紙のポケカの方はより複雑で実力が反映されやりこみがいがあるので、ポケポケで物足りないと思ったら紙のポケカもやってみる、というのもありだと思います。
そもそもそれを意図して作られている部分もあるんじゃないかな?と思っています。ポケポケ自体がポケカ入門になっている、みたいな。紙のポケカに手を出してみると、フリーザーexとよく似た性能のレジアイスがいたりして、親しみを感じやすいかもしれません。
それでは、また。
※本記事の画像はDeNA、クリーチャーズのゲーム「Pokémon Trading Card Game Pocket」からの引用です。