管理人まどが遊んだゲームを、独断と偏見に基づいてご紹介する感想記事です。
本記事では「鳴潮」をご紹介します。
なお、本記事はバージョン2.0時点で作成したものです。
鳴潮ってどんなゲーム?
鳴潮は、KUROGAMESが開発・運営するオープンワールドのアクションRPG(基本無料)です。
アニメテイストのキャラを操作して精細に描かれる広大な世界を冒険するゲームで、同ジャンルのゲームと比較して戦闘が作りこまれていてやりこみがいがあるのが特徴的です。
魅力1. 美しい世界を探索できる、アニメ調オープンワールド

きょうび、オープンワールドのゲームはたくさんあります。
しかし、その多くはリアル志向(写実的:フォトリアリスティック)のゲームです。
漫画やアニメのタッチで描かれた世界のオープンワールドというのはそこまで多くありません。わたしはずっと、漫画やアニメ風の世界でオープンワールドを楽しみたいと思っていました。
ただ原神が大ヒットした影響か、最近次々と基本無料のアニメ調オープンワールドが登場しているので、そこは個人的にとても嬉しいところですね。
鳴潮もそんなアニメ調オープンワールドの1つであり、親しみやすいアニメ調のキャラクターを使って広大な世界を探索できるのが大きな魅力です。
描写される世界も美しく、野山を駆け回っているだけで不思議と満足感があります。
2つ目の国リナシータでは、空を飛び回れるアイテム「ソアー」も登場し、大地を大空を自由自在に駆けて探索できます。
ただ広大なだけの世界だと味気ないと思われるかもしれませんが、広大なフィールドに細かい謎解きや宝箱が散りばめられているため、世界の探索それ自体が冒険を有利にしてくれるという点で、RPGとしてもしっかり探索にメリットがあるようになっています。
美しい風景について、専門的なことは分からないのですが、素人目に見ても全体的に光の塩梅が素敵な感じがしました。とにかく絵になる景色が多いので、ついつい写真を撮りたくなります。
魅力2. やりこみがいのある戦闘

鳴潮、戦闘が楽しいです。
3人のキャラを1つのパーティにして戦うゲームで、同時に操作するのは1人だけです。残りの2人も自動的に戦うわけではなく、非操作時は基本的に待機しています。
ただ、鳴潮は攻撃の途中でキャラを入れ替えることで、入れ替える前のキャラに攻撃を継続させつつ、入れ替えた後のキャラでも攻撃を仕掛けられます。時間差操作による疑似的な同時攻撃ができ、これが俗にクイックスワップと呼ばれています。
このクイックスワップの自由度が高く、戦闘中の行動の組み立てを高度化しています。
クイックスワップは常時強いわけではなく、戦場に出ずっぱりでないと真価を発揮しないキャラもいるので、パーティメンバーによって使用頻度は変わりますが、いずれにしても有力なテクニックです。
クイックスワップをするとキャラごとの行動が圧縮されていくため、時間あたりの操作や思考の数が増えて楽しいです。そこに敵の攻撃を回避したりパリィしたりする要素も加わりますから、「戦闘をやりこみたい!」という方にとてもおすすめのゲームだと思います。歯ごたえ十分です。
こう書くと「アクションゲーム苦手だと難しそう……」と思われるかもしれませんが、そこまででもありません。
クイックスワップはあくまで「使いこなすと強い・楽しいテクニック」であって「クリアに必須のテクニック」ではないからです。
ストーリーをクリアするだけならクイックスワップなんて一度も使わなくたって何も問題ないでしょうし、逆境深塔のようなやりこみ系の戦闘であっても「クイックスワップを多用しなくても強いパーティ」を使えば、高度な操作技術がなくても楽しめるはずです。育成や厳選である程度ごり押しすることもできますしね。
まぁ、やりこみ系の高難易度コンテンツではクイックスワップが使えると有利なのには違いありませんが、その手のコンテンツの完全クリアは別に必須でもなんでもないですから、アクションゲームが苦手な方はあまり意識せず、慣れてきたら試してみる、くらいがちょうどいいかも、と思います。
魅力3. 高い自由度

鳴潮というゲーム、プレイヤーの自由度を追求している印象があります。
たとえば、リナシータで追加された「ソアー」は空を自由に飛ぶことのできるアイテムです。
ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドや原神については、基本的に空を飛ぶアイテムはパラセールや風の翼といった滑空系なのですが、鳴潮はいきなり2つ目の国で自由に空を飛べるアイテムがもらえます。
スタミナの縛りはありますが、かなり長時間空を飛べるうえ、滑空ではなく高度を上げることも可能なので、かなり自由に探索できます。スピードもあって、風を切る感覚がやみつきです。
なお、リナシータ限定とされているので、1つ目の国では使えませんし3つ目以降の国でも使えない可能性が高いですが、リナシータはソアーの性質に合わせて高低差が大きく飛び回るのに適したマップになっており、思う存分飛び回れます。
オープンワールドに付き物のファストトラベルもあるんですが、ソアーで空を飛ぶこと自体が楽しいので、わたしはリナシータ内での移動はファストトラベルをあまり使わずほぼほぼソアーで飛んで移動しています。パイロットウイングスシリーズみたいなフライトシミュレーションが好きな方は特に気に入るんじゃないでしょうか。
また、恒常星5武器については専用のガチャがあって恒常ガチャ石で回せて、更に自分で選んだ星5武器を確実に引くことができたり、限定武器ガチャはすり抜けが存在せず星5で100%ピックアップ武器(1種類)が引けたりと、ガチャについても類似のゲームと比較して、割と狙い通りにしやすくなっているように感じます。
あとはストーリーを後で見たいという方のためにスキップ機能があったり、声つきのテキストも途中で飛ばせるものが多かったりと、全体的にプレイヤー側で自由にやらせようという意図を感じます。
主人公の性別変更もできるようになりましたしね。わたしは女主人公で始めましたが、見た目は男主人公の方が好きなので、気が向いたら変えてみようと思っています。
人を選ぶ点1. 難解な序盤のストーリー
鳴潮の序盤のストーリーはけっこう分かりにくいです。
専門用語が寄せては返す波のように去来するため、なんだかよく分からないままに物語が進行していきがちです。
自分で遊んでみると「??」となると思います。わたしはなりましたし、他の人の意見を見ていても似たような感想はたくさん見かけました。
実際のところ、専門用語が多いうえに、それぞれの説明も十分なされているとは言いにくい部分があるので、分からないところは分からないままにして、分かるところだけ納得しながら進めて大丈夫です。話の大筋はそんなに複雑ではないため、それで盛り上がりに欠けることはないと思います。
また、これについては序盤が終われば改善します。
なので、現状「序盤は細かいことは気にしない」というのが対処法らしい対処法かと思います。
この手の「全体として評価は高くても序盤は不評」なゲームって、場合によっては後に序盤だけ作り直されたりすることがあるので、もしかしたらそのうち解消される問題なのかもしれませんね。
なお、難解さに加えて言うと、序盤のストーリーは暗いです。
設定自体が悲惨なため、当然ストーリーの流れも呼応してそうなるのは必然ではあるんですが、これについても一時的なものであることは明言しておきます。
こういうオープンワールドのゲームって、ストーリーやアクションに魅力を感じて遊ぶというのももちろんそうなのですが、単純に「この世界にいるのが楽しい、居心地がいい」というのも遊ぶ動機になると思います。
そういう観点では、なんか悲壮だし居心地悪くない……?と思うこともありますが、序盤のストーリーが暗いだけでそこまで悲壮なことばかりではないですし、バージョン2.0で新しく実装されたリナシータはとても明るくて居心地のいい場所だと思います。
人を選ぶ点2. 一部翻訳が微妙
鳴潮の翻訳、あまり快適とは言えません。
メインストーリーはさほどでもないのですが、サブイベントや限定イベントでは特に気になります。言い回しが不自然だったり、明らかな誤字脱字が目立ったりします。
ただ、「何を言っているか分からない」みたいなものは稀なので、プレイに支障があることは少ないかなと思います。
なお、プレイに支障が出そうなタイプの翻訳も一部ありました。
深層空想秘境というイベントで、モルトフィーの強化効果の簡易説明にそれぞれ「攻撃力が大幅アップ」と「攻撃力が中幅アップ」と書かれている項目が、詳細説明には両方とも「攻撃力40%アップ」と書かれていて、どちらが正しいのか混乱したことがあります。
今後、ローカライズの質が改善されることに期待しています。
原神の旅人さん向けの説明
鳴潮のゲームシステムは原神と似ており、原神経験者の旅人さんは飲み込みやすいと思います。
実際、原神でいう空月の祝福・天空紀行・淵月螺旋・週ボス素材・特産品・天賦レベル・聖遺物などについては、似た要素が鳴潮にもあります。
ただ、共通点が多い一方で、鳴潮ならではの要素もありますし、似たような点がある一方で細かな違いがプレイフィールを大きく変えたりもします。そこを少し説明したいと思います。
まず、クイックスワップを用いた戦闘のゲーム性が大きく異なります。
原神はキャラが控えに戻ると戦場から消えるので、香菱の元素爆発やフリーナの元素スキルのような設置型のワザで疑似的な同時攻撃をするのですが、鳴潮はワザを使っている最中のキャラを交代させるとワザを使い終わるまで戦場に残るため、これを利用して同時攻撃を行うことが多いです。
原神でいう「アルハイゼンの元素爆発を撃った直後に交代し、別のキャラで元素スキルを撃ってから即座にアルハイゼンに戻し、元素爆発終了時の効果で琢光鏡を獲得して戦闘を続行する」……みたいな動きです。
この手の動き、テクニカルで楽しいんですが、けっこう操作が忙しいです。逆に言うと、熟達する楽しさがあります。わたしは操作面では鳴潮の方が好きですね。
あとは戦闘絡みでいうと、鳴潮は聖遺物(音骸)1つ1つにワザがあり、メインに設定した聖遺物のワザをキャラが使えるようになる、というものがあります。
ワザは変身系と召喚系があり、単体で強力なのは変身系ですが、召喚系は片手間に出せるため、どちらも強みがあります。
ダッシュで攻撃をかわした際に通常攻撃ボタンを押すことで回避反撃という専用ワザが出たり、相手の特定の攻撃に合わせて自分の攻撃を重ねることで相手の攻撃をパリィ(弾く)できたり、キャラ交代の際に条件を満たすと交代前キャラが「終奏スキル」、交代後キャラが「変奏スキル」を使ったりと、戦闘中の行動バリエーションは鳴潮の方が多いです。
ただ、元素反応の要素は原神固有であり、鳴潮にはありません。また、原神は1パーティ4人ですが、鳴潮は3人です。そのぶん、淵月螺旋に相当する逆境深塔は最大3パーティ必要です。
グラフィックの感じとしては、原神は明るいけどやや粗め、鳴潮は精細だけどやや暗めという感じです。原神の方がよりデフォルメされている感じですね。
キャラクターの頭身も鳴潮の方が高いです。ここは好みの問題だと思いますが、わたしは原神の頭身の方が好きです。原神に慣れていたわたしは、当初鳴潮のキャラを全体的に細長く感じました。血管大丈夫かな?みたいな。すぐ慣れましたし、これはこれでいいなと思いますけどね。
会話の感じについては原神の方が親しみやすい気がしました。鳴潮の方がシリアスに寄っているからかもしれません。
キャラクターデザインについてはどちらも素敵ですが、鳴潮の方がより精細なぶんパッと見で綺麗に感じます。一方で、原神の方がかわいさは感じやすいように思います。
デフォルメの強さゆえか、背の低い女の子キャラも原神の方が幼い感じがします。鳴潮だとアンコやヴェリーナが低身長枠っぽいんですが、頭身がさほど低くなく手足が比較的すらりとしているので、七七やナヒーダほど幼く見えません。
あと、全体的にキャラの露出が多めな感じはしました。ショアキーパーみたいな半裸のキャラは原神にいなかった気がしますし、女主人公も蛍よりだいぶ露出しています。原神よりも男性向けに寄っているからかもしれません。
まぁ、原神も今でこそプレイヤーの男女比が半々に近いようですが、当初は8:2で男性プレイヤーが多かったようですし、鳴潮もこれから変化する可能性はあるかとは思います。それがいいことかどうかは別のお話ですけどね。
まとめ
・鳴潮はアニメテイストのオープンワールドアクションRPGで、広大で美しい世界を自由に冒険できる魅力がある。
・鳴潮の戦闘はクイックスワップやパリィなどがあり、操作難易度の上限が高くて奥深いシステムのため、やりこみがいがある。ただ、高度なテクニックを使わなくてもレベルをしっかり上げていればストーリーで詰まることはないため、アクションが苦手でも心配はいらない。
・鳴潮は2つ目の国で自由に飛べるアイテムが手に入ったり、ストーリースキップが自由だったりと、全体的に自由度が高い。特に空を飛べるアイテム「ソアー」は爽快で、またマップもソアー前提で高低差の大きい作りになっており、探索がより楽しくなっている。
・鳴潮は序盤のストーリーで専門用語が連発される難解仕様になっている。ただ、多少進むと改善されるのと、細かい専門用語が分からなくても大筋の話は分かるので、気にせず進めるのがおすすめ。
・鳴潮は翻訳がやや不親切なきらいがあり、誤字脱字も目立つ。
・原神と比べるとグラフィックが精細で少し暗く、戦闘の操作がより複雑でスキルキャップが高く、キャラはかわいさよりも綺麗さが増しており、キャラの露出がやや多め。ガチャや育成まわりのシステムは類似しており、原神を知っていると飲み込みも早いはず。
……という感じです。
バージョン2.0でリナシータが追加され、PS5版も登場したため、ますますの躍進が期待されるゲームですね。
世界観としても、1つ目の国である瑝瓏(の今州)は割と暗めかつSF寄りな感じでしたが、もっと明るい方がいいという要望が多かったのか、2つ目の国であるリナシータはより明るくファンタジーに寄せた感じになっていて、今後もより居心地のいい世界になりそうな予感がしています。
基本無料のアニメ調オープンワールドアクションRPGが既に複数あり、これからもどんどん出てきそうな昨今ですが、鳴潮はその1つとして大きな魅力のあるゲームだと思いますので、ぜひ遊んでみてほしいと思います。もしよければ、リナシータの空で会いましょう。
それでは、また。
※本記事の画像は、KUROGAMESのゲーム「鳴潮」からの引用です。