わたしが遊んだことのあるゲームを、独断と偏見によりオススメする感想記事です。
本記事では「ゼノブレイドDE(Definitive Edition)」をご紹介します。
ゼノブレイドDEとは
ゼノブレイドシリーズの原点である初代ゼノブレイドのリマスター版です。
ゼノブレイドは2010年に発売されましたが、その後2015年にNew3DS版が発売され、そして2020年にニンテンドースイッチ版が発売となりました。
巨神と機神という、2柱の巨大な神の骸の上に住んでいる者たちが、広大な世界を冒険するRPGです。
ちなみに、Definitive Editionとは「決定版」という意味です。グラフィックやユーザーインターフェース等の改善点が多く、今から買うならニンテンドースイッチ版がいいと思います。
魅力1. 個性的な世界観と広大なフィールド

Wiiのゼノブレイドが発売されてから、はや15年。
きょうび、オープンワールドのゲームは珍しくありません。原神や鳴潮など、もはやスマホでオープンワールドRPGをプレイしている人がたくさんいますし、当時とはだいぶ環境が変わりました。
しかしながら、ゼノブレイドDEの広大なフィールドやその作りこみについては、現代のゲームと比べてもなお素晴らしいものだと思います。隅々まで探索したくなるマップに、実際に探索した時に満足できるような仕掛けがあり、ニンテンドースイッチになって見栄えもよくなっています。
なお、ゼノブレイドDEはオープンワールド型のゲームとされています。
オープンワールドについては非線形なゲームデザイン云々といろいろ定義があるのですが、大まかに言えば「広大な世界を高い自由度で冒険できるゲーム」だと思います。
そういう意味で、ゼノブレイドDEは疑いの余地なくオープンワールドでしょう。
ただ、「ほとんどのマップがシームレスに繋がっている」というわけではないので、そこは要注意です。民家に入るたびに画面が暗転しロードを待つようなことはないですが、基本的にはとても大きなマップが複数あり、それぞれはシームレスに繋がっているわけではありません。そこに深いこだわりがある場合は要注意です。
それぞれのマップについても、特色豊かです。
雄大な草原があれば、険しい雪山もあり、広い海があったかと思えば、ファンタジーでしか見られないような素敵な場所もいくつかあります。
とても「冒険している感じ」が強くて、RPGの面目躍如という印象です。
敵との戦闘についても、専用の戦闘画面に移るのではなく、フィールド上でそのまま戦うため、より没入感があります。敵との位置取りも重要になるため、RPGではありますがアクションゲームのような要素も含まれています。
また、世界観自体も「巨大な神の骸の上で生活している」という個性的な設定から、「この先にはどんな世界が広がってるんだろう?」とわくわくさせられる部分がありました。
探索することで「秘境」と呼ばれる隠された場所や絶景スポットを見つけたりする楽しみも満載で、とにかく探索したくなるゲームです。ちなみに、わたしの好きな秘境は「神呼びの聖域」です。
魅力2. 熱いストーリーと名作アニメのような演出

ゼノブレイドDEというゲーム、ストーリーが面白いです。
「熱い」展開が多いですし、登場するキャラクターたちも魅力的かつ個性的で、更に要所要所でのムービーの盛り上がりもアニメのクライマックスのようで非常に高揚します。脚本に著明なアニメ脚本家の方が起用されているのもその一因なのかもしれません。
なお、ムービーシーンでもキャラクターごとの装備が反映されるため、変な格好をさせているとシリアスな場面でもその格好のままになってしまって、なんとなく残念な感じになったりもします。特に、何度も回想される場面が変な格好だと「もう許して!」となることもありますね。
なので、Wii版では装備の強さを優先するか、見た目を優先するかで頭を悩ませたものでしたが、ニンテンドースイッチ版では見た目だけ装備を変えられるようになったため、問題が解決されました。
最初は少し邪道にも思えましたが、まぁ要らないならOFFにすればいいだけですし、いい機能だと思います。ストーリー進行度次第でみんな蛮族みたいな格好になったりするのが面白かったんですが、別にそれは見た目装備OFFにすれば同じ体験ができますしね。
もしよければ、1周は見た目装備OFFで遊んでみてもいいかもしれません。Wii版プレイヤーが悩んだ「見た目を重視するか、強さを重視するか」の葛藤が追体験できるかと思います。
魅力3. ユニークモンスターとの戦闘が楽しい

ゼノブレイドDEは戦闘もすごく楽しいです。
戦闘システムについてはさすがに15年前だけあって、現代のゲームと比べると少し時代を感じるところではあるのですけれど、今なお白熱する面白さがあります。まぁ、将棋やテニスだってほぼ同じルールでずっと続いているわけですし、不朽の面白さというのは意外と身近にあるものですよね。
キャラごとに「アーツ」というワザを8つ選んでセットして使い分けるもので、アーツごとにリキャストタイム(連続使用不能時間、いわゆるクールタイム)があったり、「タレントアーツ」という戦闘の軸になるキャラ固有アーツもあったりします。
基本的にはリアルタイムで進むコマンド式戦闘ではあるのですが、敵の背面から使うと強いアーツがあったり、あるいはワザごとに直線状や扇状といった範囲があったりして、ただコマンドを入れていくだけではなく、少しアクションめいた要素もあるのが特徴です。
更にはチェインアタックという、パーティゲージを全消費して全員で畳みかける必殺技もあったりして、ド派手でメリハリがありつつもヘイト管理など繊細さも要求される、奥深い戦闘システムです。
なお、戦闘は3人パーティですが、そのうち1人をプレイヤーが操作し、他の2人はAIが自動的に操作します。
ゼノブレイドの戦闘はとても賑やかで、味方全員が喋りまくるので最初は「うるせー!」となりますが、すぐに慣れると思います。
また、この多弁な仲間たちは別にただの賑やかしではなく、キャラクターの台詞からそれぞれのキャラクターの状態を把握できるので、実はとても重要な情報です。
画面の情報が多いため、HPが減った時の台詞を言ってくれると「あっ、あのキャラやられそう!」とすぐ分かってありがたいですし、タレントゲージについては自分以外のものは原則分からないのですが、50%/100%溜まった時にはそれぞれ台詞を言ってくれるため、耳を澄ましていれば味方のゲージの溜まり具合が察せられます。
シュルクの「心が……騒いできた!」という台詞なんかも、初めて聞くと「騒いでるのは心だけですか……?」となりますが、慣れてくると「ああタレントゲージ50%ね、了解」となります。
ラインの「ワイルドダウン!」もよく聞く台詞ですが、これも慣れてくると「けっこう前に聞いたから、そろそろワイルドダウンがまた使えるようになってるはず……」と、味方のアーツのリキャストタイムを把握するために有用だったりします。実はみんな、意味のあることしか喋りません。
これら耳も目も手も忙しい戦闘は、普通にやっているだけでも楽しいですが、フィールドの強敵ことユニークモンスターとの戦闘は格別です。
ユニークモンスターはフィールドの各所に点在しており、倒さなくても物語の進行にはなんら問題ないのですが、倒すとキズナコインという戦闘を有利にするアイテムが必ず手に入ったり、レアアイテムが入っている金の宝箱を必ず落としたりするので、倒せるならぜひ倒したくなります。
装備のジェムなど、こだわる点はたくさんあるため、「RPGの戦闘を極めるのが好き!」という方には特におすすめできます。
なお、レベル差補正がとても大きいゲームでもあるため、強大なユニークモンスターや強めのストーリーボスも、ある程度レベルで上回ってさえしまえば大して苦になりません。
なので、戦闘が苦手な方は町のサブクエストなどをこなして経験値を溜めることで、強敵相手でも楽に勝てるようになります。戦闘が好きな方はサブクエストは後回しにして、レベルが少し足りない状態で戦闘をするとスリリングで楽しいです。わたしはそっち派でした。
また、ゼノブレイドDEではWii版になかったカジュアルモードという戦闘を簡単にするモードがあり、これをONにするとレベルで上回らずともガンガン敵を倒せます。「ストーリーは見たいけど戦闘はそんなに興味ないよ」という方は、カジュアルモードでサクサク進めてもいいと思います。
ちなみに、Wii版の頃は「サブクエストをしてたら経験値が溜まってレベルが上がりすぎ、ストーリーボスが雑魚ばっかりになる」というジレンマがありましたが、スイッチ版では上級者設定を使って経験値を備蓄しレベルを下げることができるため、レベルが上がりすぎることに悩む場合は使ってみてください。
まぁ、1周目は普通に遊んで、もし2周目をやるなら上級者設定で縛りプレイ、みたいな感じの方がいいかもしれませんけどね。
魅力4. 戦闘BGMからフィールドBGMまで名曲が多い
ゼノブレイドDEといえば、BGMも非常に魅力的です。
特に戦闘BGMは有名であり、強力なユニークモンスターと戦う時のBGM「名を冠する者たち」は、あらゆるゲームの戦闘BGMの中でも屈指の名曲といって過言ではないでしょう。実際、有志によるゲーム音楽のランキングでも上位常連です。
「機の律動」は通常戦闘BGMと言われても信じられないくらい熱いBGMです。こちらから敵に戦いを挑んだ時に流れるBGMなので、どんどん敵と戦いたくなります。なお、通常戦闘といっても序盤は別のBGMなので、最序盤からいきなり聴けるわけではありません。
あと、フィールドBGMについても魅力的な曲が多いように感じます。
ガウル平原(昼)が有名ですが、ザトールのBGMもいいですし、あとは……〇〇〇フィールドとか中央〇〇も好きです。
やはり広大なマップを時間をかけて探索することが想定されているためか、フィールドのBGMも長く聴いていて苦にならない、心地よい名曲が多かったように思いますね。
人を選ぶ点1. 移動手段が乏しい
ゼノブレイドDEは、広大な世界を探索するのが楽しいゲームです。
ただ、探索については基本的に徒歩になります。ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドの馬やマスターバイク、ゼノブレイドクロスのドール、鳴潮のソアーのような高速移動手段については、残念ながらゼノブレイドDEにはありません。
もっとも、このあたりのオープンワールドアクションRPGと比較するとさすがに1マップは小さいですし、ランドマークというスキップトラベル(瞬間移動)できるポイントがたくさんあるため、そこまで困ることはないかとは思います。
かつては広大な海マップを泳いで埋めたという猛者がいましたが、実際のところ全部踏破(泳破?)しなくてもランドマーク等の要所を全部押さえればマップは埋まるため、あえて自力で全部埋める必要もありませんしね。
なお、リマスターなのでマップについてはWii版より綺麗になっていますが、元は2010年のゲームですから、さすがに最新のゲームと比べると少し劣る部分はあるかと思います。
人を選ぶ点2. 物語の途中で行けなくなるマップがある
広大なマップを探索する楽しみを味わいたい!
……という目的がメインの方には残念なことですが、ゼノブレイドDEでは物語の途中で行けなくなるマップが存在します。ゲームをエンディングまで進めたうえで、景色を楽しむために色んなマップを渡り歩いてみたいなと思っても、もう訪えないということです。
当然、そのマップにいるモンスターなんかももう戦えなくなってしまいますし、そのマップでしか拾えないアイテムなんかももう拾えなくなりますから、そこのところはどうにかならなかったのかな?ちょっと思います。
なお、マップに限らず、クエストについても時間制限つきのものがあります。
時間制限つきのクエストは時間制限つきのマークが表示されるため、全部消化したいという方は時間制限つきクエストを優先してこなすというのも一つの手ですが、クエストの量自体がかなり膨大なため、それもけっこう大変だと思います。まぁ、嬉しい悲鳴というやつですけどね。
わたしはあまりコンプリートに興味がないため、1周目はやりたいクエストだけやっていましたが、中にはキャラクターの能力向上に関わる重要クエストも混じっており、クエストをしっかりこなす人にはちゃんと見返りもあるようになっています。なので、ある程度はやっておいた方がいいかもしれません。
人を選ぶ点3. 説明がちょっと分かりにくい
ゼノブレイドDE、色んなシステムがあって複雑です。
なので、チュートリアルについても色々教えてくれはするんですが、とにかく情報量が多いため、けっこう混乱します。
ゼノブレイドDEの実況配信を見ていても、スキルリンクやキズナコインのシステムをチュートリアルの説明で一発理解できていた人はほとんどいませんでした。チェインアタックの同色補正の倍率あたりも、よく分かっていない人が多かったように思いますね。盾で防げるアーツの種類も誤解が多かったりしました。
ただこれは、説明が下手というよりもシステムが複雑であるがゆえに致し方ないことかも、と思います。「実際にスキルリンクをしてみよう」みたいな、より細かなチュートリアルが逐一あれば多少は飲み込みやすかったかもしれませんが、とにかく要素が多いので、細かくチュートリアルするとテンポが損なわれそうではあります。
幸い、攻略サイト等には分かりやすく情報が載っていますから、よく分からないことがあったら調べてみるのがいいかもしれません。
また、ユーザーインターフェース(アイテム欄やメニュー画面)についても少し分かりにくいです。
Wii版よりはだいぶ改善されているんですが、スイッチ版もどちらかというと分かりづらい部類に入るような気がします。
コレペディアに登録できるアイテムについても、汎用アイコンと名前と説明文だけなので、個人的にはアイテム1つ1つに小さな個別イラストでもあれば、より愛着を持ちやすかったように思います。虫系のアイテムはアイコンを見たくないような気もしますが……(表示の有無を切り替えられればいいですけどね)
まとめ
・ゼノブレイドは個性豊かな広いフィールドを探索する楽しさがあり、ストーリーも熱くて上質で、傑作アニメのように要所要所でしっかりと盛り上がれる。
・ゼノブレイドの戦闘は奥深く、視覚情報・音声情報を常時把握しつつ、コマンド式ながら細かな操作を要求されるため、やりごたえがあって奥深い。特にユニークモンスターとの戦闘は血湧き肉躍る。ただ、戦闘が苦手ならサブクエストでレベルを上げれば簡単になるし、カジュアルモードをONにするという手もある。
・ゼノブレイドはBGMもよく、特に戦闘BGMはゲーム史に残る名曲が揃っている。フィールドBGMも心地よい良曲が多く、長時間フィールドを探索していても飽きがこない。
・広大なフィールドに比して移動手段は徒歩や水泳のみなので、乗り物が欲しいと思うこともあるかも。また、物語の途中で行けなくなるマップもあるため、広大な世界を探検することが主目的の人は、セーブを分けて作った方がいいかもしれない。
・システムはけっこう複雑で、一度理解するとすぐ慣れるものが多いけど、チュートリアルの説明を見ても最初は理解できないことがあるかもしれない。暇な時にチュートリアルの説明を読み返したり、あるいはよく分からないことは攻略サイトなどで調べるのがいいかも。
……という感じです。
ストーリー、マップ、戦闘、BGMと、様々な要素がどれも秀逸な、傑作RPGだと思います。
のちのゼノブレイド2、3についても面白いゲームですが、それぞれの物語にそこまで大きな繋がりはないため、どの作品からやっても楽しめると思います。まぁファンサービス的な要素もあるので、どれもやりたい!と思うなら1→2→3の順がよさそうには思いますけどね。
ちなみに、わたしはゼノブレイドDEのチェインアタックが一番好きです。2や3と比べると一番シンプルではあるんですが、一番気持ちいいのがDEのチェインアタックだと感じます。
まだ遊んだことのない方は、ぜひ遊んでみてください。
それでは、また。
※本記事の画像は、任天堂・モノリスソフトの「Xenoblade Definitive Edition」からの引用です。